アップルが主力のアイフォーンの新製品にかける期待は大きい。売上高は、昨年9月のアイフォーン6と6プラスの投入後に急伸。2015年4~6月期の売上高は、前年同期比33%増を記録した。特に、香港、台湾を含む中国圏の売上高は2.1倍となるなど、圧倒的な成長が続く。今回発表された「6s」と「6sプラス」は、この高成長を維持するためにクックCEOが示した処方箋だ。
ただ、大画面化という明確な改善があった1年前と比べ、今回は「驚くほどの刷新はなかった」(アナリスト)との指摘も多い。クックCEOは「どうやってこのアイフォーンの成功をつなげていくのか」と、自社の課題を率直に認めた。
しかも8月以降、アップルにとって成長エンジンである中国経済の減速が鮮明になった。世界的に市場が混乱した8月11日から24日までの2週間で、アップルの株価は13.8%も下落。クックCEOも「7、8月を通じて中国市場は力強く成長している」とコメントするなど、不安払拭に躍起になった。