アイフォーンの売り上げに頼るアップルの事業構造も顕著になっている。背景には、10年の初代iPad(アイパッド)投入で開拓したタブレット端末の市場が、スマートフォンの大画面化とともに縮小し期待通りの収益源に育っていないこともある。
アイパッドにもメス
アップルは9日、12.9インチの大画面を備えた新型タブレット端末「アイパッドプロ」も発表した。従来のタブレッド端末とノートパソコンの中間の画面サイズの製品を投入することで、アイフォーンと自社製品同士の競合を避ける狙いがある。
発表会では、長年のライバルであるマイクロソフトの幹部を招いて事務統合ソフト「オフィス」との連携性をアピールするなど、弱点の企業向け市場を開拓したい意図も示された。アイパッドプロは日米などで11月に発売され、低迷するアイパッド販売のてこ入れを図る。
しかし、アイパッドプロが成功するかどうかは不透明だ。4月に発売した腕時計型端末「アップルウオッチ」も劇的に市場を切り開くには至っていないもよう。アイフォーン依存からの脱却の難しさを示している。(ワシントン 小雲規生)