流通最大手のイオンの完全子会社として再生を目指すダイエーが改革に動き出した。強みとする食に特化した新業態「フードスタイルストア(FSS)」の京阪神地域第1号店として三宮駅前店を改装し、神戸三宮店としてオープン。全国約280店のうち、九州、北海道、名古屋にある2割は9月にイオン系になり、京阪神地域と首都圏に経営資源を集中する。ダイエーの屋号は平成30年度までに消えるとされるが、流通革命の象徴は往年の輝きを取り戻せるか。(中村智隆)
神戸を起点に食に特化で顧客奪取へ
JR西日本、阪急電鉄、阪神電気鉄道、神戸市営地下鉄などが乗り入れる西日本有数のターミナル、神戸・三宮。駅前の一等地で営業するダイエーの店舗が8月に生まれ変わった。7年の阪神大震災の直後にオープンして以来、最大規模の改装で、食品売り場を中心としたFSSとして再開業した。
ダイエーが強みとしてきた食の売り場を強化し、顧客を奪い返す改革の目玉。神戸は「流通王」と呼ばれた創業者、中内功氏の出身地であり、今でも本店を置くなどゆかりの深く、京阪神の「前線基地」に選ばれた格好だ。