今回の改良では、ハイブリッド燃費が従来モデルの18.6キロから20.2キロに、バッテリーの電気だけで走行できるEV航続距離についても60.2キロから60.8キロにそれぞれ向上した。
エンジンだけの改良で燃費を8%改善するのは容易ではない。だが、開発陣は「ハイブリッドシステムは完成された技術ではない。燃費を改善する道筋がまだまだある」と奮闘した。
取り組んだのが、システムの効率的な制御だ。発電のためにエンジンを回す場合、回転数を高くすれば短い時間で電気をためられるメリットがあるが、室内に漏れる音は大きくなる。今回、新型車は高級感を出すため、吸音材や遮音材などを使って車体側の静粛性を大幅に向上させた。このため、「室内の快適性を維持しつつ、理想的な回転に近付けることができた」(同社)という。
回生ブレーキで充電
エンジンのフリクション(摩擦)低減にも手を付けた。エンジンは燃焼する際に部品に無駄な摩擦が起きると燃費が悪くなる。そこで、ピストンのコーティングやオイルの改良を進めることで、フリクションを減らした。減速時のエネルギーでモーターを回し、バッテリーを充電する回生ブレーキも積極的に使用。電力消費の削減につながり、EV走行の距離を伸ばすことができる。