■かつての親会社破綻で連鎖倒産危機
まさに青天の霹靂(へきれき)でした。1986(昭和61)年8月12日、ミロク経理が倒産しました。負債総額は確か約300億円でした。
経営が破綻した大きな原因は、商品開発の失敗でした。オフィスコンピューター(オフコン)はアルプス電気でOEM(相手先ブランドによる生産)をしていましたが、株式上場を目指して中堅企業や大企業にも売り込もうと、汎用(はんよう)機を製造している大手メーカーに変更し、この共同開発が遅れたのです。
◆噂広まり窮地に
ミロク経理の子会社は連鎖倒産していきます。
ミロク情報サービスはミロク経理とは資本関係も全くなく、ビジネス上のつながりも人的交流もありませんでしたが、かつての親会社です。私も倒産の3年前まで副社長でしたし、社名に同じ「ミロク」が冠として付きますから、世間から見ると同じグループと思われても仕方がありません。
「次はミロク情報サービス」との噂が広まり、競合会社は「今のうちにわが社に切り替えたほうがいいですよ」と喧伝(けんでん)していました。一部の競合会社は「何か協力することがあったら言ってくれ」と表向きは話しながらも、裏では足を引っ張るようにあおるわけです。困り果てて、全国紙にミロク経理とミロク情報サービスの資本関係はありませんと告知してもらったこともあります。
ミロク情報サービスは8月決算で一応、黒字決算でしたが、9月からバタッと注文が取れず、リピートも取れない。売り上げはそれまでの半分以下になった。ここまで影響があるとは予想しておらず、本当に参りました。このときの従業員は200人で、売上高は50億円ぐらいありました。連鎖倒産となると大変なことになります。