27年4~6月期決算を発表した7月末の会見で、高橋興三社長は液晶事業の展望について、こう語った。背景にはアイフォーン向けパネルのシェアの苦戦が浮き彫りになる。
アイフォーン向けは低温ポリシリコンと呼ばれる素材を使った高精細な液晶パネルを使用しており、供給しているのはシャープのほか、ジャパンディスプレイ(JDI)、韓国LG電子の3社だ。
調査会社のIHSテクノロジーによると、今年1~3月のアップルへのメーカー別シェアは、JDIが35・9%(前年同期32・4%)でトップ。LGは34・5%(同28・8%)と伸ばしたが、シャープは逆に29・6%(同38・8%)と落ち込んている。
さらにJDIはアップルからの投資分も含め、1700億円を投じて石川県白山市に液晶パネル工場建設に乗り出している。来年5月の稼働予定で、来秋発売の新型アイフォーンのディスプレーに使用される可能性が高い。シャープのシェアはますます圧迫されそうだ。