避難所運営組織のリーダー向けに言い換えると、「自らの指揮下にある要員を確実に掌握し、それぞれに何をなすべきかを明確に示してその行動を律していくことが特に重要。そのためには、確実な現況の把握と、命じたことの実行の確認が必要である」となるだろう。
リーダーが組織を円滑に機能させるための「統御」は2つに分かれる。「心服統御」と「威圧統御」である。1つの組織を構成する要員が「あのリーダーのためなら何でもやる」と考えるような組織体をつくり上げて管理するのが「心服統御」。一方、職権を盾に「俺の言うことが聞けぬなら罰する」と強制し、部下を律するのが「威圧統御」である。避難所運営組織のリーダーは「心服統御」を追求しなければならない。指揮下にあるのは一般市民のボランティアであり、「威圧統御」は通用しない。
経済界の重鎮の方々からは「日々常在戦場」との経営理念をお聞きすることが多い。経営者も、災害時には実戦場での指揮官と全く同様の資質を要求されることを認識すべきだ。
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【プロフィル】小津光由
おづ・みつよし 防衛大卒。1970年陸上自衛隊に入隊。米国陸軍需品学校留学を経て第3後方支援連隊長、東北方面総監部装備部長、自衛隊札幌地方連絡部長、東北補給処長、需品学校長。陸将補。2004年退官。14年から現職。阪神淡路大震災では派遣連隊長。68歳。長野県出身。