万田発酵は2013年から、ミャンマーのエーヤワディ管区で農業支援を続けている。同地域は、肥沃(ひよく)なデルタ(三角州)地帯であり稲の原産地の一角ともされるが、生産性など課題も多く同国では貧困層の多いエリアでもある。現地政府と共同で進めている農業指導では、同社が開発し、国内農業で多くの成果を上げた特殊肥料「万田31号」が使用され、コメの収量を大幅に増やす成果を上げている。「人と地球の健康に貢献する」を企業理念に据える万田発酵。収益性の追求とは一線を画した理念通りの企業活動に注目が集まっている。
◆特殊肥料使用し収量2倍
特殊肥料「万田31号」を使用した水田で、コメの収量が2倍になった-。ミャンマーの農家からそんな報告が届いたのは14年のことだ。前年、万田発酵の幹部らによる現地視察を機に、エーヤワディ管区での農業支援が決まった。支援の本格化を前に同管区の1軒の農家に万田31号を渡して使用したところ、その1軒だけ収量が倍増し、周囲では大変な騒ぎとなった。
エーヤワディ管区周辺は、熱帯・亜熱帯気候でコメは年に2、3回収穫できる。田植えの後は自然に任せる形で栽培、間引きなどはせず、肥料も周辺国から持ち込まれる単純な化学肥料が過剰に使用されている。基本的には肥沃な土壌だが、連作により田が疲弊した状態だった。万田31号は、41種類の厳選された素材を3年以上、発酵・熟成させて製品化した農業資材で、栽培した大根が大型化するなど、とくに植物の根を著しく活性化する現象が報告されている。国内でも稲作、畑作、果樹園などで多くのプロ農家が使用している。疲弊した田に万田31号を使用することで、稲の根が活性化し、土中の養分を効率的に成長に使え、収量の倍増につながったとみられる。