「ミャンマーでの効果の大きさ自体に驚きはなかった」と松浦良紀社長はいう。環境を最適に整備できれば、植物の持つポテンシャルは想像をはるかに超える結果を出す。だが、収量が大幅に増えることで、貧困から抜け出し家族に笑顔が戻る場面を目の当たりにすることで、企業としての存在意義や技術の役割を考え直すきっかけとなったという。
◆社長自ら現地で作業
14年後半からは同管区で25軒の農家と協力し、農業指導を加速。現地政府の農業・灌漑(かんがい)省とも協力し、6カ所で万田31号の農業試験を実施しながら、現地の気候や土壌に適した使用法の確立、病害虫対策などを検討している。同社では流通体制の見直しなどを含め、万田31号などの農業資材を安価に供給する方策も検討中だという。
「農業資材を東南アジア諸国連合(ASEAN)に展開するという目標はあるが、ミャンマープロジェクトはそうしたビジネス目線では見ていない。コメが食べられるようになったとか、子供を学校に通わせられるようになった。そんな話を聞くのがなによりも励みになる」。松浦社長は2カ月に1度は現地に向かい、協力農家と泥だらけになり汗を流すのだという。