□地域防災支援協会理事・鈴木正弘
消防などの防災計画に基づく防災訓練と、事業継続計画(BCP)に基づく訓練の一体化を図ることを勧めている。メリットは2つある。1つは訓練自体の質の向上が期待できることであり、もう1つは設備投資面などでのコスト削減に寄与できることだ。
そもそも、防災計画とBCPを別建てにすること自体を見直す必要がある。例えば事業所が自家発電設備を設置する場合、防災上は消防用設備などの非常電源の確保、事業継続の観点では計画停電を含む停電対策を目的とする。機能面からみても、消防用設備などの非常電源は短時間型で目的を果たす一方、停電対策用は長時間対応型とする必要がある。複数設置すれば、コストがかかるため、これら双方の目的を満たす設備が求められるが、実態は多くがそのようになっていない。
IT活用が業務の基幹となっている現状を考えると、電源の確保は事業継続の要件の一つであり、コストパフォーマンスを高めるためにも、防災計画とBCPの整合性を図り、実効性ある計画とすることが求められている。
防災計画に基づく訓練とBCP訓練も同様である。消防法では、一定の用途と規模の事業所に年2回以上の訓練の実施を義務付けている。多くの事業所ではコンプライアンス(法令順守)違反にならないよう定期的に訓練をしている。しかし、訓練内容がそれぞれの事業所の防災特性に見合った内容かどうかについては、疑問が残る。法令に定めがあれば計画の実効性が高まるとは言い切れない。