海外鉄道事業など好調で持ち直し
日立製作所が28日発表した2015年4~9月期連結決算は最終利益が前年同期比17.0%減の975億円だった。中国経済の減速で建設機械が伸び悩んだものの、国内のシステム事業や北米向けの高機能材料、海外の鉄道案件が好調で当初の業績予想よりも上回った。売上高は5.6%増の4兆8068億円で主要9部門のうち、7部門が増収だった。税引き前利益は1.4%減の2546億円。
中村豊明副社長は28日に都内で開いた決算会見で「中国経済の減速で今後の経済環境は不透明な状況」との見方を示し、16年3月期連結の業績予想を据え置いた。売上高は前期比1.8%増の9兆9500億円、税引き前利益が15.6%増の6000億円、最終利益が42.5%増の3100億円を見込む。
中村副社長は中国経済の減速で「建機や材料系の事業に影響が出ている」と述べた。今後については不動産投資が止まっており、「16年1~3月期あたりにエレベーター事業にも影響が出る」との見通しを示した。
今後の対策では現在、不採算事業の撤退・縮小や人員の再配置を進めており、コスト削減の取り組みを継続する方針だ。さらにモノとインターネットをつなげる「インターネット・オブ・シングス(IoT)」など付加価値の高いサービス提供で、中国や東南アジアなどのマイナス事業をカバーする。