日産自動車は2日、タカタ製エアバッグを搭載したスポーツ用多目的車「エクストレイル」が10月28日に静岡県伊東市で追突事故を起こし、助手席に乗っていた女性が頭と左腕に軽傷を負ったと発表した。車内にエアバッグを膨らませるガス発生装置の破片が飛散しており、「異常破裂が負傷の原因の可能性が高い」(日産)。
事故車は2006年製で、日産が今年5月に届け出たリコール(回収・無償修理)の対象だった。8月には販売会社がリコール内容に従ってガス発生装置の気密性を点検したが、異常はないと判断。点検で問題のあった車両を優先するため、リコール拡大で不足する新品への交換を先延ばししていた。
日産によると、リコール済み車両11万3000台のうち、新品への交換は約1万1000台にとどまる。事故を受け、日産は点検のみで新品への交換を先延ばししている約10万2000台の所有者に郵便などで連絡し、交換までエアバッグの作動停止といった措置を検討する。