経営統合への準備の進捗について説明する、昭和シェル石油の渡辺宏執行役員(左)と出光興産の丹生谷晋取締役=12日午後、東京都千代田区【拡大】
石油元売り2位の出光興産と同5位の昭和シェル石油は12日、合併による経営統合で基本合意した、と発表した。ガソリンスタンドの新ブランドを立ち上げることも検討する。平成28年10月~29年4月をめどに新会社を発足させ、生産や物流、販売、間接部門などの効率化を通じ、統合5年目に年間500億円程度の相乗効果を目指す。
両社は今年7月に経営統合で基本合意し、具体的な統合手法などについて協議を進めていた。持ち株会社化などではなく、合併による経営統合を決めた理由について、出光の丹生谷晋取締役は「一つの法人になって意思決定が迅速化できる」と説明。昭和シェルの渡辺宏執行役員も「相乗効果の追求が速まる」と強調した。
「対等の精神に基づく」経営統合とし、新会社の代表取締役や業務執行取締役は当面、それぞれ両社から同数を指名する。株式の統合比率については、資産査定(デューデリジェンス)を経た上で来年にも決める見通しだ。製油所の統廃合や人員削減については、現時点では検討していないとした。
新社名や本社所在地についても、今後両社で協議し決定する。ガソリンスタンドのブランドは一定期間、既存のものを併用するが、新ブランドへ統一することを検討する。国内の石油製品の需要が低迷する中、両社は事業規模の拡大で競争力を高める。両社の経営統合を引き金に石油元売りの合従連衡が加速しそうだ。