ドイツのフランクフルトで開かれた自動車ショーで撮影されたフォルクスワーゲン(VW)のロゴ=9月(AP)【拡大】
11月も米国は急失速したが、「お膝元のEUやディーゼル車を投入していない中国は影響が少ない」(関係者)とみられる。だが、依然として課題は多い。
ひとつが訴訟リスクだ。11月9日に米国で対象車の保有者に1千ドル(約12万円)分の金券を支払う措置を発表した際には“訴訟封じ”との批判が噴出。米議会からは「不正を覆い隠そうとする提案だ。顧客に法的措置をとらないよう署名を迫るだろう」(リチャード・ブルーメンソール上院議員)との声も上がった。訴訟に発展すれば賠償金を科される可能性がある。
リコール費用の膨張も不安材料だ。2015年7~9月期に65億ユーロ(約8500億円)を対策費として計上したが、EUの850万台やインドの32万台に加え、米国でも48万2千台の対象車がある。
修理が排ガス浄化装置を通常走行時にとめる違法ソフトウエアの更新にとどまらず、部品交換などに及べば費用は膨らむ。世界で計1100万台とされる対象車1台に10万円かければ総額は1兆1千億円に上り、対策費が膨張して業績を直撃する。