グーグルの自動運転車について説明する同社担当者=米カリフォルニア州、グーグル本社(AP)【拡大】
(5)はやりものに飛びつこうとする
新しいアイデアを募ると、現在はやっているもの、はやり始めているものに飛びつこうとする傾向がある。最近で言えば自動運転車であろうか。各種カメラ、レーザーレーダーやセンサーなど、既に多くの企業が着手しており、戦国時代に突入している。後発から進出しようとすれば、よほど特長ある技術がないと参入は困難であろう。後発で商機があることは少ない。
このように開発現場にいる人たちは、どうしても近視眼的になりがちである。このためマネジメント層は、意図的にフィールドを広げたり時間軸を長くしたりして、他社がまだやっていないことに着目させることが大切であろう。クルマで言えば、コンピューターの能力が人類を超える技術的特異点(シンギュラリティ)が2045年に起こると考えられており、そこから逆算して、どのようなモビリティーが必要となっていくのか、また今から何をしなければならないかを考えていくことも一案であろう。
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【プロフィル】和田 憲一郎
わだ・けんいちろう 新潟大工卒。1989年三菱自動車入社。主に内装設計を担当し、2005年に新世代電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」プロジェクトマネージャーなどを歴任。13年3月退社。その後、15年6月に日本電動化研究所を設立し、現職。著書に『成功する新商品開発プロジェクトのすすめ方』(同文舘出版)がある。59歳。福井県出身。