今回の共同研究では、20~50歳の便秘傾向の女性(31人)を対象に、カカオプロテインを含むカカオ分72%の「高カカオチョコレート摂取群」(16人)と、カカオプロテインを含まない「ホワイトチョコレート摂取群」(15人)の2グループに区分。それぞれ2週間、毎日25グラムずつ食べてもらい、排便回数、便量、便色を調査した。
その結果、摂取後1週間で「高カカオチョコレート摂取群」の平均排便回数が2
.8回から3.9回に増加するなど、いずれの項目も「高カカオチョコレート摂取群」が「ホワイトチョコレート摂取群」を上回る改善結果を示した。
また被験者の便中に存在する菌について解析したところ、「高カカオチョコレート摂取群」では、腸の中に存在する細菌群(腸内フローラ)の構成などに変化がみられたという。「どんな菌の影響で便通が改善したかはまだ不明なので、今後、継続して調査したい」(古賀准教授)としている。
さらに、カカオポリフェノールを抽出した後の残渣(ざんさ)からカカオプロテインを抽出し、人工消化試験を行ったところ、カカオプロテインが体に吸収されにくい難消化性タンパク質の一種と判明。便通改善のメカニズムについては「小腸で吸収されずに大腸に届き、便のかさを増したり、腸内細菌の餌となって腸内フローラを変化させて便通を改善したと推定できる」(古賀准教授)という。
カカオプロテインの便通改善作用の有無を確定させるため、便秘になりやすい高脂肪食を食べさせたマウスを使った補足実験も実施した。このマウスにカカオプロテインを与えたところ、与えなかったマウスに比べて1日の糞便量は50ミリグラム多い300グラムとなり、便のかさ増し効果が裏付けられた。
同日の発表会では、京都府立大学大学院生命環境科学研究科の牛田一成教授からチンパンジーがカカオを食べるという珍しい生態についての報告もあった。