知的財産については、汎用性のある技術は京大iPS研が所有。最終的に生み出された再生医療の関わる知財は武田と京大iPS研との共同所有にする。
遅れをとる日本勢
異例の提携にこだわった理由について、山中教授は日本の創薬が抱えて続けてきた「死の谷」と呼ばれる課題をあげる。
「死の谷」は、研究開発段階から実際に事業化するまでの間に立ちはだかる、
開発費用のほか、大学研究を医療につなぐ橋渡し役の不在が原因で起きる。
新薬創出で世界1位の米国では、大学などの研究機関が由来のものが6割をしめるが、日本では2割以下といわれている。
欧米では基礎研究と製薬企業を結びつけるバイオベンチャーがあり、有望な研究をベンチャー企業が育て、大企業に事業を売却するといった流れが定着している。しかし、日本ではこのプロセスがなかった。