■国内、海外ともに収益強化へ愚直に
--2015年の世界経済を振り返って
「中国の景気減速と産油国の不調が目立った。米国経済は非常に堅調で、欧州もようやく底を打ったが、新興国は中国の影響で成長鈍化が加速し、何となく達成感のない、緩慢な動きの1年だった。国内も消費税増税の影響が長引いて個人消費の回復が遅れ、やはり停滞したといわざるを得ない」
--鉄鋼業界にも停滞感が漂っている
「国内経済の低迷で、鉄鋼需要は弱含みで推移した。建設向け需要は人手不足で期待ほど盛り上がらず、自動車も増税に伴う駆け込み需要の反動減があり、ともに回復が遅れた。ただ、環境が良くない中でも(石炭を蒸し焼きにして鉄鉱石を溶かす燃料にする)コークス炉の更新など、経営的にやるべきことはやった」
--輸出が中国の影響を大きく受けている
「中国で余った鋼材が1億トン以上も東南アジアなどにあふれ出たため、海外価格が大幅に下がり、(日本メーカーの)輸出採算も悪化した。世界的に保護貿易的な動きも強まっている」
--旧新日本製鉄と旧住友金属工業が経営統合して3年余りが過ぎた
「統合は大変うまく進んでいる。ROS(売上高経常利益率)5%など、4つの数値目標を1年前倒しで達成し、業界首位の時価総額を維持できた。昨年4月から新中期経営計画を始動したが、技術力とコスト削減、グローバル進出を競争力の源泉にするほか、国内で鍛えた競争力を武器に海外で成長する」