こうした企業からは「現地の販売や生産が減少」(自動車)、「富裕層を中心とした顧客の消費減退」(流通)、「海上輸送量が落ち込んだ」(運輸)などと悪影響を指摘する声が上がる。また、東南アジアでも「中国向け出荷の比率が高い子会社の業績が下振れした」(化学)などグローバル展開する企業への影響は大きい。
こうした中で国際通貨基金(IMF)は昨年11月末、人民元を特別引き出し権(SDR)の構成通貨に採用した。これを受けて中国人民銀行(中央銀行)は「世界の経済成長と金融安定に貢献する」との声明を出し、金融改革と対外開放の加速を強調した。
だが、主要企業の多くは人民元のSDR採用を、中国経済の転換点とは見ていない。人民元のSDR化によるメリットについて、84%の企業が「どちらともいえない」とし、「見込めない」との回答も12%あった。企業の間では「影響の度合いが不明」(自動車)、「信用力が増すのか判断がつかない」(商社)などと今後の動向を見定める姿勢が根強い。
SDR採用でのメリットが「見込める」とした企業は、「人民元取引のビジネス機会が増える」(銀行)など4%にとどまる。景気減速から脱却する道筋が見えない中で、中国の動向が今年も日本企業の“重し”となる恐れがある。