第一生命保険が今年4月以降に採用する営業職員の初任給を一律2万円程度上げる方向で労働組合と交渉を始めたことが5日、分かった。
初任給の引き上げは15年ぶりで、人材を獲得しやすくする狙いがある。2月中旬の妥結を目指しており、今後、本格化する春闘全体の交渉に影響を与えそうだ。
既に在籍している営業職員も含め、営業成績に応じて支給する「歩合給」も3年連続で引き上げる見通し。
第一生命には昨年9月末時点で、約5万5000人の従業員がおり、このうち営業職員が約4万3000人を占める。保険契約の獲得に重要な役割を果たしているが、人手不足が深刻で待遇改善が課題になっていた。
明治安田生命保険も4月から5年以上勤務している営業職員を対象に、月給を平均で約1万円引き上げる制度を導入する。現在、3年連続の賞与引き上げも検討している。
日本生命保険、住友生命保険も賃上げを前向きに検討しており、実現すれば生命保険業界は大手4社全てが賃上げとなる。
政府と日銀は経済界に対し、景気回復を後押しするため賃上げを求めている。