東京ガス広瀬道明社長【拡大】
「ガスをベースにしながら、電力やエンジニアリング事業などを柱に事業展開しているが、事業領域にも限界があり、選択と集中を進めている。例えば、ガス機器製造を手掛ける子会社については、株式の大半をリンナイに譲渡することを決めた。機器がないとガスが使えないため、機器製造を手掛けてきた経緯がある。だが、エネルギー供給とものづくりでは、文化が違うと判断した」
--来年にはガスの小売りも全面自由化され、一転して守る立場になる
「電気は再生可能エネルギーなど電源で差別化できるが、ガスにはそれがない。ガス事業で培ってきた信頼をベースに、サービスで選ばれるようにしたい」
--アジア企業と提携し、LNGの共同調達や融通を検討している
「14年は韓国ガス公社と、昨年は台湾中油(CPC)と協力協定を結んだ。(共同調達で)調達規模を増やす、あるいは融通し合うことで、LNGを安く安定的に調達するのが狙いだ。それぞれの国の事情もあり、すぐに成果は出ないかもしれないが、長い目で見ればアジア企業と人材・技術交流することは重要だ」
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【プロフィル】広瀬道明
ひろせ・みちあき 早大政経卒。1974年東京ガス入社。2004年執行役員、取締役常務執行役員、代表取締役副社長などを経て、14年4月から現職。東京都出身。