トヨタ自動車の労働組合が2016年春闘の労使交渉で、ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分として月額3000円を要求する方針を固めたことが12日、分かった。ベア要求は3年連続だが、物価の伸び悩みや新興国の景気減速を受け、15年の要求額の半分にする。日産自動車やホンダの労組も3000円を要求する見通し。政府が掲げる「経済の好循環」に向け、前年を上回る賃上げの動きが広がるかは予断を許さない。
トヨタグループの労働組合でつくる全トヨタ労働組合連合会は月3000円以上のベアを統一要求する方針。これを踏まえ、トヨタ労組が執行部案を固めた。2月に正式に決定する。
15年春闘では、トヨタなど自動車各社の労組は月6000円のベアを要求。トヨタは過去最高の4000円、日産はそれを上回る5000円の回答を獲得した。16年の要求は15年の獲得額を下回ることになる。
トヨタの業績は米国での販売増などで好調が続いているが、円安による利益の押し上げ効果は、今後縮小する見通し。新興国経済の先行きリスクも高まる。
さらに、トヨタグループ内で下請け各社との賃金格差が広がっており、トヨタ労組としては現実的な要求額に設定し、格差是正に取り組む狙いもある。