「海外に向けての発信はまだまだ少なく、ショッピングについては特に顕著です。外国語で伝えるという最初のハードルは思いのほか高いものです。観光地の基本的な情報は一度の発信で、ある程度は固定化できますが、ショッピングは取り扱う対象が毎日変わり、情報の更新を継続する必要があります。ドラッグストアの商品は留学生がSNSなどで発信し、評判を呼びました。飲食店や小売店の取り組み、地域の魅力も外国語で伝えることで可能性が開けていくはずです」
伝統工芸もポップな文具も、高級料亭にも商店街のコロッケにも、それぞれの魅力があり、ショッピングには多様性が求められ、日本は大都市圏だけでなく全国津々浦々で日本らしさを発見し、体験できる買い物天国だと訴える。ショッピングツーリズムは経済効果に限らず、精神的、文化的な豊かさをもたらすという。
「訪日ゲストは著名な観光地ばかりでなく、小さな町にも足を延ばしています。金物を扱う個人の商店や街角の文具店にあった品物の素晴らしさに感激され、自分では気づいていなかった魅力を発見された商店主も多くいらっしゃいます」
山と川しかないと地元の人が言う土地の自然や風物に感動し、日本人が見いだせなかった価値が掘り起こされると指摘する。訪日ゲストを受け入れることでコミュニケーションが生まれ、誇りが呼び起こされ、地域の活性化につながるという。
「何千キロも向こうから私たちのいる場所を訪れ、暮らしに触れ、心を動かし、目を輝かせている。それだけで素晴らしいことです。日本を体験してもらうことで、日本人の存在意義が喚起され、日本ならではの美しさ、豊かさがより深く大きなものになります。まず触れ合うことから始めましょう。四季に恵まれ、多様性に富んだ日本の魅力を一緒になって発信していきたいと思います」(谷口康雄)
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