■高付加価値品へのシフトで生き残り
--過剰設備を抱える中国が、東南アジアなどへの輸出を増やし、海外市況が悪化している
「日本メーカーの輸出採算が悪化しているほか、安い中国製品に押し出された韓国や台湾の製品が日本に入ってきている。それはある程度予想していたが、昨年夏以降、これほど増えるとは思わなかった。正念場はむしろこれからだ。過剰設備の解消にはそれなりの期間を要するだろう」
--台湾プラスチックがベトナムに建設する大型製鉄所への出資を昨年8月に決めた
「需給が緩む中、(海外で)高炉を手がけることに批判もあると聞くが、中長期的にみれば東南アジア市場は必ず伸びる。建設する製鉄所は最新鋭で競争力があり、高級鋼材を製造できる可能性も秘める。日本からの輸出を肩代わりしてもらい、国内では製品構成を変えるといった、さまざまな成長の方策が考えられる。ただ、すぐに投資効果が出るわけではないので、5年、10年の長期的視野の下で動く」
--2015年度にスタートした3カ年中期経営計画では、コスト削減の徹底などを打ち出した
「中国の需給が改善しないとなると競争はより激しくなる。生き残りのためコストをさらに下げないといけない。より高性能の製造設備にしていく。中期計画で予定する総額6500億円の投資を粛々と実行する」
--自動車向けでは、強度と薄さを両立したハイテン(高張力鋼板)の中でも、性能をさらに高めた超ハイテンに期待がかかる
「高付加価値品はすでに(生産の)約3割を占めているが、その比率をさらに高めるのが中期計画の必達目標だ。期間中に1割程度、引き上げたい」