こうして作られた純水は1日約160トン。1トン当たり66円の製造コストがかかるが、井戸水(81円)や水道水(375円)などの使用量に比べて格段に安くなる。
多くの工場では微生物で処理した後、汚泥部分を沈殿させて、基準を満たした上澄み部分を下水道や河川に流すのが一般的だ。ただ、微生物のコントロールが難しく、監視のための人手もかかる。同社の排水処理は逆浸透膜を使用するなど工程は多いが、安定して自動的に水処理することを可能にしている。
◆野菜くず減量に取り組み
同社は水だけでなく、産業廃棄物となる野菜くずの減量にも取り組む。
その一つが、ジャガイモの皮や芽の部分を取り除いた際に出るポテトピールといわれる野菜くずの処理。特殊な発酵技術を活用して液状にし、養豚用の飼料にする試みだ。
この取り組みは14年10月から始めた。ポテトサラダなどを作る量が増えるにつれて、費用をかけて産廃処理する負担が増してきたことに加え、急速に進んだ円安によって養豚で使用する輸入飼料の価格も高騰。食の安全安心の観点から国産飼料を使う傾向が強まっていたことも後押しした。
専用施設を使用して処理した結果、それまで産廃として約790トンを約2000万円かけて処理していたが、加工費用などを差し引いても約1500万円のコスト削減につながったという。
「国産のジャガイモを原料にした国産飼料で農業の活性化にもつなげていきたい」と田邉次長は意気込む。節水、節電とコスト削減を両立させ、安全安心な食品を安価に提供する取り組みは、各社にも広がりそうだ。(永田岳彦)