■合併で新会社の企業価値を最大限に
--昭和シェル石油と合併で基本合意した
「日本の市場が小さくなるなかプレーヤーの数が変わらなければ、競争力が強い企業も弱い企業も同じように製油所を減らす結果となり、根本的な解決にならないという危機感があった。再編を考えるなかで昭和シェル石油とは社員の気風が近いと感じていた。また、単独でも出光興産と昭和シェルは、それぞれ合理化を進めていた。お互いに効率の良い設備を持ち、地理的にも重ならないので、合併しても製油所をつぶさなくて済む。アナリストから『製油所の統廃合がなければ、相乗効果は生まれない』といった指摘を受けることもあるが、製油所をつぶせば費用も時間もかかる。効率化を進めてきた両社であれば、経営統合した時点で競争力が発揮ができる」
--合併に向けた準備の進捗(しんちょく)は
「組織的な統合準備については順調だ。ただ、その中でも解決すべき問題もある。新会社の社員は対等だ。ただ、全部足して2で割るのが対等ではない。新会社の企業価値が最大限になるようにしたい。ブランドについては、競争や効率化を追求するなか、特約店や販売店、社員といったすべてのステークホルダーが納得できる方向で、新しく作るのか、2つのままでいくのか決まってくる」