スマートフォンで手配した配車サービスの車内。従来型タクシーと比べ清潔で、安心感も高かった=1月、中国・上海(和田憲一郎氏提供)【拡大】
「多少高くても、清潔感、セキュリティーが高いことに対して価値を認める」。付加価値として評価できれば、利用者側もコストを負担しやすいのだ。
「トラッキング性を重要視」。忘れ物、トラブルがあっても、後々フォローしやすいのは利便性につながる。
「直接お金のやり取りがないことへの安心感」。釣り銭が少ない、領収書の授受などのトラブルから解放される。
「費用の透明性」。走行ルートが適正か確認が可能で、車両の選択肢が多い。
この配車サービスに限らないが、上記キーワードを満たすビジネスの場合、従来型ビジネスから、どんどんユーザーが移行するのではないだろうか。中国では10年もたてば既存型タクシーが淘汰(とうた)される時代が来る-。そんな印象を受けた。
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【プロフィル】和田憲一郎
わだ・けんいちろう 新潟大工卒。1989年三菱自動車入社。主に内装設計を担当し、2005年に新世代電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」プロジェクトマネージャーなどを歴任。13年3月退社。その後、15年6月に日本電動化研究所を設立し、現職。著書に『成功する新商品開発プロジェクトのすすめ方』(同文舘出版)がある。59歳。福井県出身。