「チョコレートで包むことで、賞味期限が1年間になり、常温保存も利くうえ、いつでもどこでも乳酸菌を取れるようになりました」(秋山さん)
◆生活習慣病の改善にも
日本チョコレート・ココア協会によると、2014年の国民1人当たりのチョコレート消費量は年間2キログラム。和菓子など多くのライバルがいる中で、10年前に比べて消費量は確実に増えている。同協会の藤田康子さん(49)は「チョコレートに含まれるカカオポリフェノールが生活習慣病の改善に有効であることから、中高年の女性の方から1日当たりの摂取量や食べるタイミングなどについての問い合わせが増えています」と話す。
健康志向の日本では、嗜好(しこう)品であるチョコレートにもプラスαの機能を求める消費者が増えてきているのかもしれない。
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≪interview 担当者に聞く≫
□ロッテ マーケティング統括部新商品企画室・秋山浩平氏
■SNSなどでの消費者の反響高く
--商品化で苦労した点は
「乳酸菌を生きたまま腸に届ける技術の確立。本商品の着想から商品化までは、本当に乳酸菌が生きて腸に届くのかを検証するなどで、3年ほどの時間がかかった」
--販売後の反響は
「当初の販売目標の130%以上で推移していて、想定よりも消費者の健康志向が非常に強くなっていることを実感した。チョコレートという嗜好性の高い商品と乳酸菌の組み合わせは新しいので、不安な面もあったが、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などでの反響が高く、消費者の評判はすこぶるいい」
--商品企画はどのような発想で
「マーケティング、研究などの混合チームで独自商品の開発を目指している。一つのチームで動くので、お互いが気づかない新たな着想も得られる」