東京ガスと昭和シェル石油は15日、共同出資で運営する天然ガス火力発電所「扇島パワーステーション」(横浜市鶴見区)で、今月1日に営業運転を開始した3号機を報道陣に公開した。同火力は、4月の電力小売りの全面自由化に伴い両社が参入する家庭用電力販売向けの自主電源。発電能力の増強で電気料金の引き下げなどを柔軟にし、首都圏での顧客獲得競争を勝ち抜く。
3号機は1、2号機と同様、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせて効率よく電気をつくる「ガスタービンコンバインドサイクル発電」を採用した。出力は40.7万キロワットで、1、2号機と合わせると約122万キロワット。一般家庭約200万軒分の電気をまかなえるようになった。電気は海底トンネルを通じて1.5キロ離れた東京電力横浜火力発電所に送られる。
電力需給調整などを担当する東ガスの石井敏康執行役員は「自由化前に自主電源を増やせたのは大きい。4月以降の競争を有利に運びたい」と話した。