国産初の小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」を開発する三菱航空機(愛知県豊山町)は16日、米航空機リース会社、エアロリースから最大で20機を受注することで基本合意したと発表した。
MRJの受注は、昨年11月に初の飛行試験に成功した後では初めて。三菱航空機は早期に正式契約の締結を目指す。エアロリースからの受注が確定すれば、合計で427機になる。
三菱航空機は同日から開催されているアジア最大の国際航空見本市「シンガポール・エアショー」でエアロリースとの基本合意を明らかにした。同社の森本浩通社長は「航空機リースは航空機産業にとって大変重要な役割を担っており、計画の早い段階で受注でき、誇りに思う」とコメントした。受注したのは90席クラスで、2018年の納入を予定している。
MRJの納入をめぐっては、計画が4度にわたり延期している。昨年12月には主翼部分の強度不足が判明し、17年4~6月に予定していたANAホールディングスへの納入を1年程度先送りすると発表した。
客席が100席以下のリージョナルジェット市場は、今後20年で5000機の需要があるとされ、三菱航空機は半数以上の受注を目指している。最大のライバルとなるブラジルのエンブラエルもMRJと同じ最新鋭エンジンを搭載した小型ジェット機を開発中で、受注競争が激化する可能性もある。