北京市海淀区にある24時間営業の大型書店。ネットでの書籍販売は拡大しているが、実店舗の書店では飲食を楽しむなど“体験”を充実させてきている(中国新聞社)【拡大】
中国電子商取引(EC)最大手、阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング)傘下のオンラインショッピングモール、天猫商城(Tモール)はこのほど書籍業界の交流会を開催し、天猫での書籍売上高は昨年、75億元(約1310億2500万円)で、ネット書籍販売でトップの市場規模だったことを明らかにした。天猫が書籍の消費関連データを公表したのは今回が初めて。
◆密なやり取り構築
天猫図書の責任者、張●氏は「京東商城(JDドット・コム)を除いた大手書籍販売サイトの当当網やアマゾンなどは次々と天猫への出店を果たしており、深い協力関係を築いている」と説明。天猫はすでに2000店以上の民間書籍販売店と国内外50社以上の大手出版社で構成するネットワークを樹立しているという。
各書籍販売店は、天猫が提供する代理販売システムおよび(消費者からの受注数に応じた生産を行うという)C2Bモデル、O2O(オンラインとオフラインの連携)ソリューションを利用することで、消費者との密なやり取りが可能となっており、今後3年間は急成長が続く見通しだという。
中国の主要書店の販売状況調査を行う北京開巻信息技術の市場観測システムによれば、2015年のオンライン書籍販売市場はすでに280億元規模に上っているという。また、販売額が75億元に達したことを公表した天猫は前年比73%増となっていた。昨年6月中旬に天猫は1日で3000万元近い売り上げを記録したほか、「双11」(11月11日、独身者の日の販促イベント)当日には1日で約3000万冊を売り上げている。これまでに計8000万人が天猫のサイトで書籍を購入、平均すると1人4.95冊を購入した計算になるという。
一方の京東は、公開データによると、15年の「618セール」(京東集団が毎年実施する6月18日の創業記念日セール)の期間中、連日1000万元超の書籍販売を続けているほか、11日間開催した「双11」イベントでは、期間中に計860万冊を売り上げている。