■多角的融資でヨシエイ加工再建
気仙沼信用金庫にとってヨシエイ加工の再建は、融資対応が難しい案件だった。メーンバンクからの借り入れが残っていることに加え、フカヒレの仕入れにはまとまった資金が必要となるからだ。
サメは、近海はえ縄船などがマグロなどと混獲して通年水揚げされるが、相場によってはサメ肉卸業者を通じて、一度に大量のヒレを仕入れることも珍しくない。現金化のサイトが他の商品と比べて長いという事業特性もある。フカヒレの天日干しは空気が乾燥する冬場に限られるため、仕入れたヒレをストックして、冬場に2、3カ月かけて天日干し。春以降、注文に応じて出荷するという事業サイクルになるためだ。
しかし、気仙沼信金は「フカヒレという高付加価値商品を生産することで、サメのヒレには相応の仕入れ値が付く。そうすれば漁師は安心してサメを水揚げできるし、サメ肉卸業者も気仙沼での経営が成り立つ。フカヒレ生産という側面から基幹産業である漁業をもり立てるためにも重要なミッション」(高橋弘則復興支援課次長)と捉え、ヨシエイ加工の再建を進めるため、メーンバンクの債務を肩代わりすることを決断した。