厚生労働省が示す1日の野菜の摂取目標は350グラム以上とされている。しかし、2013年の国民健康・栄養調査によると、実際の1日当たりの平均摂取量は約283グラムで、目標には達していない。
農林水産省の「野菜の消費をめぐる状況について」によると、肉類・油脂類の消費が増加する一方で、野菜の消費は減少傾向で推移。1990年代以降、日本の野菜消費量は米国を下回っている。この理由としては、近年の肉ブームを受け、肉類・脂肪類の消費が増加し、食生活の洋風化が進んでいることが考えられる。同じ1人分の野菜料理でも、コールスローサラダでは、カボチャの煮付けやふろふき大根などの和食に比べて野菜の使用量が少ないのだ。
一方、家庭での生鮮野菜の購入量が減少する中、食の外部化が進んでいる。若い世代ほど料理に対する簡便化の傾向が見られ、野菜不足を感じている単身者は、中食・外食や加工食品を利用することで野菜不足を解消したいと考えている割合が高いことも報告されている。このような背景から、外食で野菜の摂取向上を目指す取り組みが発表された。
去る2月9日、ぐるなびとキユーピー(東京都渋谷区)が手を組み、外食における野菜摂取向上を図る「MOTTO VEGE(モットベジ)」プロジェクトをスタート。まずは、野菜の魅力を高め、野菜の摂取向上につながるアクションを起こす飲食店を募る。そのうえで、プロジェクトに賛同する飲食店を「MOTTO VEGE アンバサダー」とし、「私の店の野菜宣言」と題した決意表明をしてもらう。