事業会社というより、投資会社の特性に近い。海を泳ぐサメではないが、いつも動いていないと(資金を回していないと)、調子が悪くなっていく。常にM&Aの新しいターゲットを狙っていて、M&Aの継続が会社の評価につながる。だが、SABミラー買収により、ターゲットそのものは限定されてきた。そこで、日本のビール会社が、残った案件の一つとして浮上していく可能性はある。
アサヒの小路氏は「むしろ、攻撃は最大の防御。グローバルにメーカーや流通などとの提携を重ねて、連邦経営を構築してヘッジしていく」と語る。完全子会社化はせずに、ステークホルダー(利害関係者)を多様に取り込み買収防衛していく考えを示す。キリンの磯崎氏は「規模でABインベブには対抗できない。医薬のグローバル化を進めるなど独自スタイルが必要」と語る。
米国人のM&Aコンサルタントは「日本のビール会社は、ビール類と相乗効果のない清涼飲料事業を持っている。この部分の評価がM&Aの投資判断になるかもしれない」と指摘する。果たして。
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【プロフィル】永井隆
ながい・たかし ジャーナリスト 明大卒。東京タイムズ記者を経て1992年からフリー。著書は「サントリー対キリン」「人事と出世の方程式」「国産エコ技術の突破力!」など多数。57歳。群馬県桐生市出身。