【スポーツbiz】新たな可能性探る東京マラソン (3/3ページ)

2016.3.2 05:00

東京マラソンで銀座を走る参加者たち=2月28日、東京都中央区

東京マラソンで銀座を走る参加者たち=2月28日、東京都中央区【拡大】

 すべての大会が成功するわけではない。しかし、地域活性化の可能性を示したことが東京マラソン10年間の成果だろう。

 東京マラソンは11年から「チャリティー・ランナー」制度を導入している。参加費1万800円とは別に、10万円以上寄付すれば先着3000人に出走する権利が与えられる。

 「お金持ち優先の仕組みだ」との批判がある。違う。10万円をクラウドファンディングを通じて支援を募ってもいい。支援者とランナーは別人でいい。

 狙いはマラソンを通じた社会貢献にある。日本ではまだ浸透していないチャリティー文化の醸成だ。集まった寄付金は、東日本大震災の被災者支援をはじめ、難病患者支援や障害者スポーツ支援など、申請のあった事業推進に役立てられてきた。

 今年初めて3000人の枠が埋まった。3億円以上の寄付金が社会支援事業に贈られる。もっともロンドン・マラソンでは出走3万5000人の3分の1がチャリティー・ランナー、実に100億円もの寄付金が集まる。ボストン・マラソンは2500人のチャリティー・ランナーが40億円以上も拠出する。

 まだまだ及ばないが、東京の挑戦は大阪マラソンなどにも影響、風を起こしつつある。日本の市民マラソンの頂点に立つ東京は、常に模索し続けなければならない。風物詩だからと落ち着いてはいられない。(産経新聞特別記者 佐野慎輔)

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