3メガ銀行労組のベア要求見送り方針を批判する連合の神津里季生会長=3日、東京都千代田区【拡大】
政府が賃上げを呼びかける「官製春闘」3年目となる2016年春闘。現在労使の激しい交渉が繰り広げられているが、過去2年と同じような大幅な賃上げは難しい状況となっている。春闘相場を牽引(けんいん)する自動車や電機でも、基本給を底上げするベースアップ(ベア)の前年水準維持は極めて厳しいとみられる。さらに、大手銀行労組がベア要求を見送るなど、賃上げに逆風が吹いている。
「個人的には憤りすら感じる」
3日、東京都内で開かれた連合の定例会見で、神津里季生会長はこう声を荒らげた。その矛先は三井住友銀行や三菱東京UFJ銀行など3メガ銀行の労組がベア見送りを決めたこと。連合会長が、連合傘下ではないメガ銀行労組をこういった形で批判するのは異例だ。
賃上げによって個人消費を拡大させ、経済を好循環させることは、政府や経団連などの経済界、労働界も考え方が一致している。にもかかわらず、「経団連の主要メンバーであるメガ銀行が賃上げの流れに逆行するこの対応。その理由が、賃上げを促進させる狙いもある日銀のマイナス金利政策というのだがら、開いた口がふさがらない」とまくし立てた。