新日鉄住金やJFEスチールなど鉄鋼大手の労使が2016年春闘で、ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善を16年、17年の2年分で月2500円とする方向で詰めの交渉に入ったことが分かった。妥結すれば前回交渉(14、15年の合計で2000円)を上回る。鉄鋼大手の春闘は2年分をまとめて協議し、組合側は16年、17年のそれぞれで月4000円を要求していた。
鉄鋼各社は中国勢の過剰生産による市況悪化で業績が悪化しているが、会社側は昨年の春闘で自動車などが高水準のベアを実現したため、格差拡大を防ぐ上で一定の上積みが避けられないと考えているもようだ。人材育成が課題となる中、社員の士気向上にも配慮したとみられる。
ただ、組合側には3000円への上積みを求める声もあり、16日の集中回答日に向け激しい攻防も予想される。