ヴィラフォンテーヌ上野の事務室に掲示されている非常時に放送するための外国語の文例=4日午後、東京都台東区【拡大】
責任者の高橋喜一さんは「東日本大震災の時は外国人のお客様に何が起きたか説明を求められた。まずは安心してもらうことが大事だ」と話す。
百貨店も対策に乗り出した。高島屋は昨年11月に全店舗で災害時の館内放送を多言語化した。緊急地震速報が出ると、日本語、中国語、英語、韓国語により自動で案内を流す。素早く避難に移れるよう、放送時間が長くなりすぎないよう工夫した。
店内の震度計が5以上になると、頭を保護し、エレベーターやエスカレーターを利用しないよう放送で指示する。高島屋の広報担当者は「外国からのお客様が非常に多い。日本人と同じように安全を確保したい」と語る。
一方、企業側には戸惑いもある。訪れる観光客の母国語はさまざまで、英語が理解できない客も多い。多言語での対応をどこまで進めればよいかという線引きは難しく、別の百貨店は「まだ100%の準備ができていない」という。