--IT企業時代の経験で、アナログ商品を生み出した
「03年に起業したときの思いは、アナログへの回帰だった。あらゆる生命や私たちの営みはアナログだ。アナログで捉えた商品や事業こそ、マーケットで長く生き続けると確信している。コーワライティングシートもマーケット目線を持って生み出したもので、こうした商品こそ、社会貢献につながると信じている」
--教育現場への普及を目指す狙いは
「最近の教育現場はデジタル化が急速に進んでいるが、ライティングシートのようなアナログ文化が子供たちの想像力を伸ばすという挑戦的な試みだと考えている。われわれが幼少の頃は、自宅の庭に友達と会話しながら、さまざまなことを書き込むことで想像力を育んできた。しかし、今の子供たちにはそうした機会が少なくなり、小さなノートに1人で書くぐらいしかない。子供に環境を与えることが大人の役目だ。既に子供用のライティングシートを発売しており、家の中で自由に落書きができる環境を提案している」
--営業活動の手応えは
「東京都港区を中心に、ライティングシートを使った授業に取り組む学校も出てきた。例えば、ある小学校では年に1回の音楽会を題材に、音楽会をより楽しいイベントにするため『音楽をかざろう』をテーマに児童たちが絵を描いた。白い画用紙と鉛筆で下書きを描いた後、ライティングシートの透明版を1枚上に貼り、色づけしていく作業だ。紙を捨てることなく、書き直しが簡単で、児童たちは自由自在に描いていたと聞く」
--子供の頃からライティングシートに親しんでもらうことは重要だと
「環境に優しく、想像力も育てるライティングシートを“文化”にしたいと思っている。それには小さい頃から使ってもらうことが重要。これまでアピールできていなかった若者世代に対しては、東京ガールズオーディション2015アーティスト部門ファイナリストのYUKAさんを動画CMに起用し、話題になり始めている」
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【プロフィル】細貝和則
ほそがい・かずのり 和光大経卒。大手業務用ソフト開発・経営コンサルティング会社を経て、2003年に光和インターナショナル設立。63歳。島根県出身。