工場見学が終わると、1~10年物の10種類の泡盛が試飲できる。有料で15年、18年、20年の古酒も飲める。古くなればなるほど、刺激が抜けて、甘いような芳醇な香り、味わいへと変化していくことが分かる。山川社長が「蔵の古酒は100年の夢を見ながら静かに眠っているのです」と笑顔を見せた。
少し足を延ばして帰路に八重岳に寄る。日本一早いといわれる緋寒桜が既に8分咲きで桜まつりが開催されていた。午後8時ごろに北谷町へ戻ったが、疲れていたので、マンション隣のスーパーで惣菜などを買い込んで部屋へ。
備え付けの電子レンジや電気ポットで温めて食事を済まし、早々に寝た。民泊の場合、隣に地元の食材が揃うスーパーがあるのはポイントが高い。料理が得意なら道具のそろったキッチンで調理するのも楽しいだろう。
翌朝は廊下を掃き掃除する音で目を覚ました。チェックアウトの代わりに転居届を記入し、担当者に鍵を返して“民泊”は完了した。
担当部長に聞く「管理組合から苦情なし」
大京穴吹不動産PM事業部の青本隆部長に空き家活用事業「旅家」について話を聞いた。
――宿泊者が近隣住民とトラブルを起こすなど、治安面で民泊を禁止する動きもある中、大京バケーションレンタル事業として積極的に展開する理由は?
「空室増加が社会問題となっている。全国にマンションを分譲し、管理も行ってきた大京グループだからこそ、空室を有効活用しオーナー、管理組合、サービス利用者のすべてが満足できる事業を構築できる」
――賃貸借契約を結ぶことでトラブルを未然に防ぐとしているが、効果はありましたか?
「賃貸借契約書での管理規約遵守はもとより、チェックイン時にも共用ルールを守るよう対面で説明を徹底している。管理組合などから苦情はなく、一定の効果を得られている」
――分譲でも人気のある「アルトゥーレ美浜」を長期滞在型のレンタル事業に活用することのメリットは?
「オーナー自らの利用を可能とし、空室時には弊社で室内管理サービスを行う。沖縄の気候条件を考えると、第三者の利用ニーズもありオーナーにメリットがある」
――特区の大田区で本格的に民泊事業に参入する。「旅家」の今後の展開と位置付けは?
「沖縄は一年中温暖な気候であり、観光のみならず、様々なアクティビティが楽しめる。さらに避寒目的や花粉対策のために長期間滞在されるお客さまが来られる地域と考える。規制緩和後には1週間から1カ月以上まで、幅広くお客さまをお迎えできるよう施設を揃えていく。国家戦略特区法における旅館業法の規制緩和は、外国人滞在者を主眼として設定されているが、沖縄は外国人の滞在需要に加え、国内の富裕層をターゲットとしてサービスを展開する」