東京では、フランスの新進デザイナーが考案した素足感覚のフットウエアを扱う世界初のショップを立ち上げ、日本的な感覚から優れた価値を発信する。
「かつてアマゾン川流域では、天然ゴムの樹脂を足に塗り、それを固めてはだしのような感覚の履物を作っていました。それにヒントを得たフットウエアは、畳の上で生活し、草履などを履く暮らしを送っていた日本人にとって、古い記憶に寄り添うかのように体になじみます。靴で足をプロテクトして精神まで閉じ込めてしまうような現代の暮らしからの解放を日本から提案したいと考えました」
フランスにあこがれ、19歳でパリの地に立った。フランスの社会に身を寄せて、日本の素晴らしさにも目を見開かされた。
「世界を見てみたいと思った少年時代、カミュ、サルトルと風は西から吹いていました。フランスに行くことだけが目的で出かけ、これからどう生きるかを突きつけられました。パリで暮らす人たちの生き生きとした姿を見つめながら、日本人としての意味を探し、自分のアイデンティティーをどう表現するかを求めました」
日本の老舗百貨店、フランスを代表するハイブランドで活躍した。フランスに日本の優れたものを紹介し、日本人であるからこそ深く理解できるフランスの素晴らしいものを日本に伝え、本当の本物を生み出したいと技を極める職人の精神は国境を越えて理解されることを目の当たりにしてきた。日本的なものの見方、美的感覚、洞察力の素晴らしさに驚かされ、日本の美を発掘し、世界に発信する必要を胸に刻んでいる。