「健康経営」導入、企業に広がる 生産性向上へ社員の意欲引き出す (2/3ページ)

2016.3.23 05:00

 健康経営の導入促進に向けた政府や自治体、関連団体の動きも活発化している。

 経済産業省と東京証券取引所は14年度から、従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に取り組む企業を「健康経営銘柄」として、これまでに延べ47社選定した。経産省は健康経営銘柄の中小企業版として、従業員の健康管理に積極的に取り組む中小企業を認定する制度を16年度中に導入する方針だ。

 神奈川県は昨年7月、「CHO構想推進コンソーシアム」を立ち上げ、健康経営に関心を持つ約120の企業・団体が参加している。今月29日に横浜情報文化センター(横浜市中区)で開かれる「CHOフォーラム」では人事・労務担当者によるパネル討論を通じ、健康経営の具体的な取り組みが紹介される。

 経済団体の中には、健康経営の環境整備で大企業並みの対応が難しい中小企業を支援する試みも行われている。

 横須賀商工会議所は昨秋、会員企業経営者らの健康増進を狙いに「ゴルフピラティス」と呼ばれる運動法を試験的に取り入れた。レッスンプロを招き、体幹(身体の芯)や筋肉を鍛えるトレーニングを2カ月間にわたり毎日続けるよう指導。2月、コースを回り成果を確認した。

 日頃、外出が少ないライフスタイルを考慮し、「歩くことが中心で高齢でも楽しめるゴルフを選んだ」(菊池匡文専務理事)。参加者からは「車での移動時も徒歩を取り入れるよう心掛けるようになった」との声が聞かれるなど一定の成果を上げた。同商議所は今後も同様のイベントを検討していく。

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