「極力電気を節約し、他のサービスとのセット割も必要ない」。電力自由化の主戦場となる首都圏で、とにかく家計の負担を減らしたい人は、東京電力の新メニューや新電力に乗り換えず、東電の契約をそのまま継続する方がいい。あまり電気を使わない人は、実は今までの東電の契約のほうが安く済むからだ。
具体的には、使用量が月120キロワット時までの1キロワット時当たりの単価は、東電の従来プランが19円43銭に対し、新プランは23円40銭と約4円も高くなる。
電気代は社会的なセーフティーネットの観点から、使用量が少ないほど単価が安く設定されているが、新プランでは使用量による単価の差が縮まった。つまり多く使う人はこれまでよりもお得だが、あまり使わない人は高くなるのだ。
新電力はどうか。ジュピターテレコム(JCOM)は120キロワット時まで、東電よりも電気代が0.5%割引となるが、ケーブルテレビなどの長期契約が条件となるセット割だ。
東燃ゼネラル石油は単価が18円85銭と、東電の従来プランより58銭ほど安い。だが、東電で最も基本料金が安い契約容量10アンペアのプランがない。東燃は契約容量が30アンペアからで、基本料金は500円以上も高くなる。