業績予想の下方修正を発表する三菱商事の小林健社長(左)=24日、東京・赤坂【拡大】
一方、各社は資源投資についても、長期的な視点で継続する方針。三菱商事の小林社長は「資源のない日本への供給責任がある」とし、「銅や原料炭などコアの資源は継続保有し、コストダウンに注力する」と強調。三井物産の安永竜夫社長も「投資規律は厳しく見直すが、20~30年のスパンで長期の投資をする」と話した。
価格変動リスク考慮
三井物産は米国でシェールガスの開発に加え、今月、安価なガスを原料にした化学品メタノール生産を開始し、足元のガス価格下落を逆手に増産することも決めた。三菱商事もカナダのガス田で生産したガスを価格が安い時には原料ガスとして北米で販売し、高い時には米国のLNG基地から輸出する態勢を構築する。いずれも価格変動リスクに備え、供給先確保まで考慮する作戦だ。
資源安で損失計上や権益売却が相次ぐが、安いということは「新たな権益確保の最大のチャンス」(三井物産の安永社長)でもある。三井物産は昨秋に豪州の豪州南東部のキッパーガス田の権益を取得。三井物産と三菱商事は昨年10月、共同で西豪州沖で操業中のLNGプロジェクト「ノースウェストシェルフ」の未開発鉱区の投資を決めており、資源ビジネスの再構築を目指す。(上原すみ子)