ITを活用した新しい商品・サービスへの構想も豊富だ。「工場のセンサーを活用して、爆発事故や巨大災害による被害の拡大を防ぐサービス」(東京海上日動の北沢利文氏)、「スマートハウス向けの火災保険とホームセキュリティーサービスの組み合わせ」(三井住友海上の原典之氏)などのアイデアが飛び出した。
ITの進展は今後、特に主力の自動車保険を大きく変える可能性がある。実際の走行データを活用する「テレマティクス保険」に関し、あいおいニッセイ同和の金杉恭三氏は「できれば16年度中に、専用の車載器を使って取得したビッグデータ(大量の情報)を活用した本格サービスを始めたい」と述べた。
一方、ITで得られた運転情報を保険料にどう反映させるかという問題が出てくる。「自動車保険の収支は改善したが、様子を見ながら適正な保険料水準を見極めたい」(東京海上日動の北沢氏)といった意見が目立った。(米沢文)