最後まで決断できなかった“罪深さ” シャープ経営陣の迷走を振り返る (2/6ページ)

2016.4.4 12:55

記者会見中、紙コップ入りの水で乾杯する(左から)鴻海精密工業の戴正呉副総裁、郭台銘会長とシャープの高橋興三社長=2日午後、堺市

記者会見中、紙コップ入りの水で乾杯する(左から)鴻海精密工業の戴正呉副総裁、郭台銘会長とシャープの高橋興三社長=2日午後、堺市【拡大】

 高橋社長の反応を固唾を飲んで見守る会場。しかし、その答えは「いろいろな経緯があったが、こうして並んで座っているということは、お互いに提携が良いと信じているということだ」というもの。この日の会見では、郭会長も都合の悪い質問にはほとんど答えていなかったが、高橋社長も報道陣をけむに巻くだけだった。

 郭会長は、シャープを気遣ってか、「これは買収ではなく出資だ」と話したが、高橋社長も「戦略的提携」「パートナーシップ」と繰り返し、シャープが経営危機の末、やむを得ず外資の軍門に降ったことについては終始、触れられなかった。

 高橋社長は平成25年6月に就任。「シャープのけったいな文化を変える」と話し、風通しのいい雰囲気づくりを目指した。しかし、シャープを取り巻く環境はすでに、風雲急を告げていた。

 主力の液晶事業で、パネル市況の急変が表面化したのは26年秋だ。中国でのスマートフォン普及が一巡して成長が鈍化し、価格下落も進んだ。白物家電と太陽電池の両事業も海外生産比率が高いだけに円安が逆風となり、シャープの業績は一気に悪化した。

「社員数に余剰感はない」との前言を翻し…

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