最後まで決断できなかった“罪深さ” シャープ経営陣の迷走を振り返る (6/6ページ)

2016.4.4 12:55

記者会見中、紙コップ入りの水で乾杯する(左から)鴻海精密工業の戴正呉副総裁、郭台銘会長とシャープの高橋興三社長=2日午後、堺市

記者会見中、紙コップ入りの水で乾杯する(左から)鴻海精密工業の戴正呉副総裁、郭台銘会長とシャープの高橋興三社長=2日午後、堺市【拡大】

 しかし、この時すでに液晶パネルの市況は急速に悪化しており、わずか2カ月後に経営危機は表面化する。通期の連結業績予想を下方修正し、最終損益見通しを従来の300億円の黒字から300億円の赤字に引き下げたのだ。

 高橋社長は平時なら、一般の社員から親しまれ、平穏に任期をまっとうできたかもしれない。しかし、経営環境の悪化がそれを許さず、日本的な「調整型」の手腕は最後まで、発揮されそうにない。

 2日の会見で郭会長は、「シャープにリーダーシップを提供したい」と述べ、現経営陣にそれが欠けているという認識を示唆した。高橋社長の去就は明らかにされなかったが、その“決断”も、すでに親会社となった鴻海の郭会長に委ねられていることは明白だ。(高橋寛次)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。