
東京都港区の三菱自動車本社のショールーム=4月22日、東京都港区(早坂洋祐撮影)【拡大】
対策費の膨張も懸念材料だ。問題の4車種は燃費性能に応じ、自動車取得・重量税などが免除・減免されるエコカー減税対象車。2015年4月以降に購入した「eKワゴン」(Mタイプ)なら省エネ法の燃費基準を20%上回り、減税額は計3万2800円。ただ、データの修正で基準を10%上回る程度になれば、減税額は計2万4000円程度で、8000円以上返還する必要がある。63万台分で単純計算して約50億円になる。
顧客への補償も必要で、野村証券は、ガソリン代の補償(1台4万8000~9万6000円)やエコカー減税の返還額などを合わせた対策費用は425億~1040億円になると試算した。15年3月期の最終利益(1181億円)に匹敵する。
さらに、石井啓一国土交通相は22日の記者会見で「日本ブランドへの信用を失墜させかねない。(ユーザーからの)買い取りも含めて誠実に対応してもらいたい」と買い取りに言及した。対象車の中心価格は130万円程度とみられ、仮に半額の65万円で全て買い取ることになれば、費用は約4000億円になる。
いずれも問題の4車種に限った費用で、他の車種に広がればさらに膨らむ。今後、販売減や新車投入の遅れ、工場停止による採算悪化なども想定される。このため三菱自は27日に16年3月期決算を発表する予定だが、17年3月期の業績見通しは公表を見送る方向だ。