経営再建中のシャープが、本社(大阪市阿倍野区)を堺工場(堺市)に移転する方向で調整に入ったことが4日、分かった。堺工場では太陽光パネルを製造しているほか、傘下入りする台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と共同運営する大型液晶パネルの生産拠点があり、連携を強化する。東京支社(東京都港区)の機能の一部も、千葉市の自社ビルに移し、経費削減を進める。
シャープは、経営合理化策の一環で、本社を家具量販のニトリなどに売却。現在は賃料を払って入居している。契約は2018年3月末が期限だが、業績が想定以上に悪化したことを受けて時期を早めて、夏ごろをめどに移転する。
16年3月期連結決算は、2年連続で巨額の最終損失を計上する見込み。スマートフォンの販売の成長率鈍化や競争激化で主力の液晶の事業環境が厳しく、一層の合理化が迫られている。