値下げと高級路線で外食二極化 牛丼、ハンバーガー…試行錯誤続く (2/2ページ)

 プチぜいたく需要

 こうした動きと対照的なのが、ハンバーガーチェーン各社だ。日本マクドナルドは、4月6日から期間限定で販売した「グランドビッグマック」(520円)に続き、同月27日からやはり期間限定の「クラブハウスバーガー」(490円)を販売するなど高価格帯の商品を相次いで投入。今月6日に発表されたマクドナルドの4月の既存店来客数は前年同月比5.1%増と4カ月連続で増加した。

 客単価も増えたことで、既存店売上高も19.1%増と5カ月連続の増加となった。15年1月に発覚した異物混入問題後の大幅減の反動もあり、「十分に客足が戻ったとはいえない」(外食アナリスト)との指摘もあるが、高価格帯商品を軸に顧客を呼び込む構えだ。

 ハンバーガーチェーンでは昨年11月にモスフードサービスが高級路線の新型店「モスクラシック」をオープン。米国の新興チェーン「シェイクシャック」「カールスジュニア」も出店するなど単価が高い商品での競争が激しくなっている。

 今後も各社が価格よりも付加価値を重視する路線を強化しそうだ。

 外食産業に詳しい日本経済大の西村尚純教授は「外食では安価な物を求めるニーズがある一方でプチぜいたくの需要もあり、今後も価格戦略は二極化が進むのではないか」と指摘している。(永田岳彦)